本研究では前肢運動を発現制御する大脳皮質や大脳基底核の神経回路の仕組みを解明することを目指した。頭部を固定したラットに前肢の運動発現課題を遂行させて各脳領域のスパイク活動を記録解析した。神経毒6-OHDAによるパーキンソン病変に伴い一次・二次運動野の神経細胞が示す対側支配性の変化を見出した。前肢の運動発現に関連する黒質緻密部と線条体の投射細胞の運動・報酬関連活動や、海馬と嗅内野の神経細胞の活動タイミングを解析した。また、記録細胞の投射先を同定するスパイクコリジョン試験の自動化や光活性オプシンの最適化、神経活動タイミングの定量的な解析手法を確立した。
|