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2019 年度 実績報告書

天然物創薬を加速するリード創製プラットホーム構築研究

研究課題

研究課題/領域番号 19H03345
研究機関北海道大学

研究代表者

市川 聡  北海道大学, 薬学研究院, 教授 (60333621)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード創薬化学 / 天然物 / 抗菌剤
研究実績の概要

天然物を基盤とする創薬研究における、必要な天然物の誘導体を「いかにして迅速かつ網羅的に合成するか?」という至上命題に対して、①パラレルフラグメント連結戦略による迅速かつ網羅的なライブラリー供給と生物活性評価と、発展型である②動的コンビナトリアル合成戦略による活性化合物のテーラーメード合成の2つの柱からなる新たな天然物創薬プラットホームの構築を行う。本年度は、研究項目①パラレルフラグメント連結戦略を検討した。まず、コリスチン・ポリミキシンを対象として、環状ペプチド部を「コア」、アシルペプチド鎖を「アクセサリー」として、それぞれを固相合成した。次に、各フラグメントの連結を96穴プレート上で行い、コリスチン・ポリミキシン誘導体の小規模ライブラリーをパラレル合成した。この際に、最低限必要な量の「コア」と「アクセサリー」の検討や、各ウェル内でヒドラゾン形成反応の進行と収率をLC-MSにて確認した。両フラグメントによる生物活性評価条件でのヒドラゾン形成反応条件、同条件下におけるヒドラゾン体の安定性についても検討した。その結果、SPRやITC等の測定条件下では、化合物は純分安定に存在する事を確認した。一方で、細胞や細菌の培養液中では、24時間で30~40%程度の化合物の分解が起きている事もわかった。ヒドラゾン形成反応条件とその安定性に関する知見を得たため、コリスチン・ポリミキシン誘導体の大規模ライブラリー(600個以上)を一挙にパラレル合成した。また、ヌクレオシド系天然物についても検討を始めた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究計画通り、初年度にヒドラゾン形成反応条件とその安定性に関する知見を得る事ができ、コリスチン・ポリミキシン誘導体の大規模ライブラリーを構築できたため。また、ヌクレオシド系天然物についても検討を始める事ができたため。

今後の研究の推進方策

ライブラリー供給と生物活性評価と、発展型である②動的コンビナトリアル合成戦略による活性化合物のテーラーメード合成の2つの柱からなる新たな天然物創薬プラットホームの構築を行う。①②にて同定された誘導体について、さらなるドラッグデザインによる積極的な構造の単純化や機能化を行うことで、高活性化、代謝安定化能を付与するような化学修飾を施し、真の創薬リードへと変換する。最終的には、薬剤耐性菌感染症とがんを対象疾患として設定し、これらに対する天然物創薬リードの創製を目指す。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2019 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [国際共同研究] Duke University(米国)

    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      Duke University
  • [雑誌論文] Chemical logic of MraY inhibition by antibacterial nucleoside natural products2019

    • 著者名/発表者名
      Ellene H. Mashalidis, Benjamin Kaeser, Yuma Terasawa, Akira Katsuyama, Do-Yeon Kwon, Kiyoun Lee, Jiyong Hong, Satoshi Ichikawa, Seok-Yong Lee
    • 雑誌名

      Nat. Commun.

      巻: 10 ページ: 2917

    • DOI

      10.1038/s41467-019-10957-9

    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] Structual requirement of tunicamycin V for MraY inhibition2019

    • 著者名/発表者名
      Kazuki Yamamoto; Akira Katsuyama and Satoshi Ichikawa
    • 雑誌名

      Bioorg. Med. Chem.

      巻: 27 ページ: 1714-1719

    • DOI

      https://doi.org/10.1016/j.bmc.2019.02.035

    • 査読あり
  • [学会発表] ナノシスチン Axの全合成2019

    • 著者名/発表者名
      宮北 大輝;、内海 翔平、勝山 彬、薬師寺 文華、市川 聡
    • 学会等名
      第61回天然有機化合物討論会
  • [学会発表] MurJの作用機序解明を指向したリピドII誘導体の合成2019

    • 著者名/発表者名
      大川 凌太郎、勝山 彬、薬師寺 文華、市川 聡
    • 学会等名
      第37回メディシナルケミストリーシンポジウム

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公開日: 2021-01-27  

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