これまでの知見を活かしてケージドNOの赤色-近赤外制御を目指して主に研究を推進し、光誘起電子移動反応(PeT)を鍵反応とするケージドNOを開発した。色素部を種々の光波長に対応するよう置換することで、600nm、650nm程度の赤色-近赤外領域の光に応答してNO放出することを示した。さらにラット大動脈切片を用いたマグヌス試験を実施し、光照射によって血管弛緩作用を再現できることを示し、またin vivoラット血管弛緩実験系を用いて光照射による血圧変化を検証することで、全身血圧に影響を与えず局所血圧を制御できることを示した。また、ナノ粒子型ケージドNOについて、有機色素を用いたNO放出に成功した。
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