研究課題
本研究課題の最終年度として、独自創製の固相ジスルフィドライゲーション(固相DSL)の化学的有用性及び創薬展開の可能性をさらに追求し、本課題の完成を目指した。これまで、1)化学的有用性検証:①ジスルフィド含有環状ペプチドの効率的合成として、ジスルフィド先導型環状ペプチド合成(DSDCPS)法を確立し、さらに固相上環状ペプチド合成法も確立してきた。ジスルフィド結合を3本有するインスリンのDSDCPS合成には至らなかったが、複数のペプチドの合成を通じて、本合成手法は確立できたと考えている。尚、長鎖ジスルフィドペプチドであるアドレノメデュリンのNative chemical ligation (NCL) と水溶性Npys-OMe誘導体との組み合わせにより達成した全合成については論文執筆中である。一方、2)固相DSL技術の創薬展開への可能性検証:③「新規架橋分子」としての抗がん剤のAPDC創製研究については、まだ論文作成中ではあるが、2023年秋までには投稿したい。また④PDC架橋体創製における基盤整備研究では、タイトジャンクション(TJ)開口活性を有する環状デプシペプチドMA026の構造活性相関研究の論文の投稿し、現在リバイス中である。シクロプロパン型Negamycin新規誘導体の論文についてはデータを取り終え、投稿準備が完了している。マイオスタチン阻害ペプチドー光酸素化触媒架橋体については、国際出願の各国段階でのJST支援を得られなかったが、さらに医薬品としての可能性を検討中であり、創薬展開を図る活動に歩みを進めたい。尚、当該研究に関しては論文として掲載することができた。さらに、Npysを基盤とする架橋体化学の研究から、Npysを用いてトリプトファン残基を選択的に修飾する反応を発見することに成功し、今後の中分子ペプチド架橋体の化学の新展開への糸口を得ることに成功した。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2023 2022 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (24件) (うち国際学会 6件、 招待講演 2件) 備考 (2件)
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