研究課題
糖鎖連結型均一抗体・薬物複合体のin vivo においての評価を行った結果、臨床応用されている類似のものよりも顕著な結果を示し、優位性を明らかにした。さらに、糖鎖改変した抗体のエフェクター機能についての解析を行った。抗体依存性細胞傷害(ADCC)活性は、抗体のエフェクター機能の中心的なものであり、糖鎖構造とFcγRIIIa を介したADCC活性の相関はよく知られている。FcγRIIIaアフィニティーカラムクロマトグラフィーにおいて、コアフコースが欠損した抗体では保持時間が長くなること、すなわち、ADCC 活性が高くなることを確認した。一般的な治療用抗体では、糖鎖の不均一性からカラムクロマトグラフィーにおいて3つのピークになり、ADCC活性に幅があることが推測されるのに対して、糖鎖均一抗体では、単一ピークを与え、ADCC 活性を制御しうることを明らかにした。また、糖鎖長が長くなるとFcγRIIIaアフィニティーカラムクロマトグラフィーにおいての保持時間が長くなることも明らかにした。古典的なLys, およびCys 連結抗体・薬物複合体は、FcγRIIIaアフィニティーカラムクロマトグラフィーにおいて複数のピークを与えるが、糖鎖連結均一型抗体・薬物複合体は一つのピークを与えた。すなわち、糖鎖連結抗体・薬物複合体は、ADCC 活性も制御できる。抗体薬物複合体で抗体に結合させる毒性低分子化合物の代わりにα線放出核種である211At を抗体に結合させるradioimmunotherapy の検討を行った。211At を結合した抗体は、211At による水の放射能分解から生じた活性酸素種により損傷を受ける。アスコルビン酸ナトリウムを添加すると、活性酸素種を消去でき、211At 付加抗体を保護し、radioimmunotherapyを効率的に目的部位に送達できることを見出した。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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