研究課題/領域番号 |
19H03358
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
兵藤 文紀 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 特任准教授 (10380693)
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研究分担者 |
田中 秀和 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (30509782)
松尾 政之 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 教授 (40377669)
森 崇 岐阜大学, 応用生物科学部, 教授 (40402218)
長尾 吉泰 九州大学, 大学病院, 助教 (70608968)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | NASH / ブタ / レドックス / DNP / MRI |
研究実績の概要 |
本研究は、「ミトコンドリア代謝」をイメージングバイオマーカ-とする磁気共鳴代謝イメージング技術に基づき、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)の高精度画像診断法への応用において、NASH病態におけるレドックスプローブの反応機序を解明するとともに、マウス-ブタ-ヒト検体を用いた実証試験へ展開し、本法のProof of Concept (POC)を得ることを目的としている。昨年度は、ブタ用のMCDを給餌したNASHモデルを用いた基礎検討を実施した。 MCD開始後、2週毎にCT、MRI、USによる脂肪肝の画像診断、USガイド下によるバイオプシーにより経時的に肝組織を採取し、病態進行とESRによるミトコンドリア代謝反応を比較検討した。CTやMRIおよびUSによる腹部画像診断においては、MCDによる明確な脂肪肝への変化を確認できなかった。また血液検査においてもコントロール群に比べ顕著な炎症性変化はみられなかった。組織切片を用いた病理検査では、軽微な脂肪滴の蓄積と軽度の線維化は認められたが、マウスMCDモデルと比較するといずれも軽度であった。 一方、肝組織を用いたレドックス解析では、MCD処置群において顕著な代謝の減少を確認することができた。以上より、ブタMCDモデルにおいてもレドックスプローブを用いた早期診断の可能性が示唆された。 ヒトサンプルについては、生体イメージングを想定し肝ホモジネートとの直接反応で代謝速度を求め、適切な反応プロトコールを決定した。引き続き継続的にヒト肝サンプルを計測し、レドックス代謝と肝疾患の病態進行度との関係性を明らかにする予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画書に記載した実験項目について予定通り順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度に引き続きブタMCDモデルにおける解析を進めるとともに、マウスモデルを用いたCmPの代謝機構の解明、ヒト肝組織を用いたPOCの実証研究を進める。
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