本研究では、すでに医薬品として臨床で利用されているエリスロポエチンに対してわずか10残基のパスポート配列を付加することで分泌量が増加することを見出した。このことは、バイオ医薬品の効率的な生産につながると期待できる。また、本研究の成果では血液凝固因子の細胞内における輸送メカニズムも明らかにしていることから、血液凝固因子欠損症の発症の仕組みの理解を深めるとともに、血栓症のように血液凝固によって引き起こされる疾患の治療法の開発に貢献できる可能性がある。さらに、ラミニン結合性糖鎖合成に関わる糖転移酵素AGO61の立体構造を明らかにしており、筋ジストロフィーの発症の仕組みの理解を深めることができた。
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