日本においては、環境汚染、過剰な栄養摂取や高齢化など、現代ならではの要因による疾患が問題になっている。これらの疾患の発症には、刺激性を有する微粒子を感知した自然免疫機構を介して誘導される非感染性の炎症が深く関わっている。本研究では、微粒子による炎症誘導に関わる新たな分子機構の同定と制御法開発に取り組み、以下(1)~(3)の成果を得た。(1)微粒子に応じて放出される新たな炎症誘導因子を同定した。続いて、(2)当該因子の放出に関わる分子機構の実態を解明した。また、(3)微粒子による炎症を強力に抑制する化合物を同定し、作用機序を解明した。さらに、疾患マウスモデルにおいて当該化合物の治療効果を示した。
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