研究課題/領域番号 |
19H03385
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研究機関 | 武蔵野大学 |
研究代表者 |
市瀬 浩志 武蔵野大学, 薬学部, 教授 (40282610)
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研究分担者 |
石川 和樹 武蔵野大学, 薬学部, 助教 (30779822)
熊本 卓哉 広島大学, 医系科学研究科(薬), 教授 (50292678)
橋元 誠 武蔵野大学, 薬学部, 講師 (80552893)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 生合成 / ナフトキノン / 酸素添加 / エノイル還元 / 立体特異的 |
研究実績の概要 |
Streptomyces coelicolor A3(2)の生産するactinorhodin(ACT)は、ナフトキノン(NQ)二量体の基本骨格を有し、Type II 型polyketide synthase (PKS)を中核とする単機能酵素群による多段階反応の中に、連続酸素添加並びに位置特異的二量体化という高度官能基化を伴って生合成される芳香族ポリケタイド化合物である。 ACTならびにNQのC-配糖体構造をもつmedermycin (MED)とgranaticin (GRA)に関与する生合成酵素群を利用して、NQ骨格形成に含まれる高度官能基化機構の統合的解明を基盤として下記の6つの目的を設定して研究を展開している。 1.フラビン依存型酸素添加酵素(FMO)ActVA-5/ActVBと類縁酵素の機能解析; 2.改変型FMO酵素群の設計・調製と二量体化酵素ActVA-4/ActVA-3の機能解析; 3.天然型および改変型各種FMOによる各種多環性基質への酸素添加システム構築; 4.ActVA-4/ActVA-3による各種NQ型基質による多量体化反応の試行; 5.AcVA-4/ActVA-3類縁酵素によるNQ型化合物の多量体化反応の実施; 6.改変型高度官能基化酵素システムの設計・調製と高度官能基化NQ化合物の創成. 当初の年度目標は上記4ならびに5であったが、モデリング解析に基づくActVA-5の点変異酵素を作製し、DDHKに対する酸素添加反応に影響を与えるアミノ酸残基を探索したところ、活性に必須のセリン残基やヒスチジン残基を見出した。また、酸素添加システムの基質として利用できる3-epi-DDHKを(R)-DNPAから調製できるエノイル還元酵素ActVI-2の諸性質を検討したところ、DNPAのC-3の立体化学とは無関係にC-15還元を立体特異に行う酵素であることを見出した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウィルス感染症の影響により、前年度研究計画の変更を与儀なくされ、今年度7月末まで延長した。この結果、研究目的5のActVA-5類縁酵素によるNQ型化合物の多量体化反応の検討を十分に行えていない。
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今後の研究の推進方策 |
研究目的5のActVA-5類縁酵素によるNQ型化合物の多量体化反応については、ActVA-4の類縁酵素であるKstA11やLom19を使用した検討を鋭意進める予定である。
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