研究代表者らは損傷運動神経再生の分子メカニズムの解明にむけ、独自の研究を行っている。運動神経損傷により発現する遺伝子の探索で当初オルファン受容体として得られたGPR34は脂質受容体であり、神経障害性疼痛に関与することが明らかになった。さらに、損傷神経が再生あるいは変性する過程で、細胞内のオルガネラや周辺のグリアがダイナミックに変動し、これには細胞膜内の脂質リモデリングや脂質による細胞間情報伝達が重要であることが明らかになった。脂質リモデリングや脂質を介する情報伝達は神経損傷後の適切な軸索再生や生存のための適切なグリア活動に関わることが明らかになった。
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