研究課題
本研究は、臓器によって異なる血管パターニングの多様性がいかにして獲得されるかを解剖学・細胞生物学・生化学、in vivoイメージングなど多様な技術を統合して取り組む研究課題である。当該分野(血管生物学)における従来研究との大きな違いは、これまでのように『血管形成』という現象を画一化したうえで、十把一絡げに理解しようとはせず、臓器機能発揮のために如何様にもカスタマイズされる多様な現象であるとし、より大きな枠組みで物事を捉え、その本質を解き明かすという点である。また、血管が伸びるメカニズムよりむしろ特定の局所には血管が伸びないメカニズム、さらには不要な血管が退縮していく過程を重視するとともに、『臓器の成長に伴う物理的な力』『同じリガンドに対する受容体の使い分け』などの新たな要素を加えたユニークなアプローチにより研究を展開している。2021年度の研究における代表的な成果としては、歯における血管ネットワーク構築の分子メカニズム、および血管が歯の硬化に与える影響を明らかにし(Matsubara et al., J Exp Med 2022)するとともに、進行がんの血管に特異的に使われている血管内皮細胞間接着システムを明らかにし、がんの転移を効率的に抑える分子標的を同定した(Ando et al., J Clin Invest 2022)。今後はこれらの知見をさらに発展させ、臓器によって異なる血管パターニングの多様性獲得機構の本質に迫ることを目標とする。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 3件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 3件、 招待講演 5件) 備考 (1件)
J Exp Med
巻: 219 ページ: e20211789
10.1084/jem.20211789
J Clin Invest
巻: 132 ページ: e153626
10.1016/j.isci.2022.104021
Am J Pathol
巻: 192 ページ: 379-388
10.1016/j.ajpath.2021.11.003
http://www.keiovascular.com/