研究課題/領域番号 |
19H03408
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
西堀 正洋 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 特命教授 (50135943)
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研究分担者 |
阪口 政清 岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (70379840)
逢坂 大樹 岡山大学, 医歯薬学域, 助教 (70839141)
王 登莉 岡山大学, 医歯薬学域, 助教 (40815693)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | HMGB1 / トランスロケーション / 血管内皮細胞 / サイトカイン類 / 抗HMGB1抗体 |
研究実績の概要 |
培養血管内皮細胞EA.hy926を用いて、LPS-あるいはTNF-α誘発性の細胞核HMGB1の細胞外分泌の実験系を確立した。これらの刺激により、時間依存的なHMGB1の細胞外分泌と、IL-6, IL-8, IL-αの産生分泌が観察された。抗HMGB1抗体(#10-22)を上清中に10μg/mlの濃度で添加すると、HMGB1のトランスロケーションがほとんど完全に抑制され、同時に3種類のサイトカイン分泌が85%抑制された。以上の結果は、細胞外へ放出されるHMGB1によって、正のポジティブフィードバックが発動し、さらなるHMGB1トランスロケーションとサイトカイン産生につながる機構が存在することを強く示唆しており、抗HMGB1抗体の添加によって、正のポジティブフィードバックが効率よく遮断されると推察された。 試験管内実験でTHP-1マクロファージによるCD163依存的なハプトグロビン-ヘモグロビン複合体の取り込み実験系を確立した。ハプトグロビンと直接結合することが示されているHMGB1を高濃度添加すると、ハプトグロビン-ヘモグロビン複合体のマクロファージへの取り込みは、濃度依存的に抑制された。以上の結果は、脳出血などの病態において、freeヘモグロビンとHMGB1が共存するような場合、ハプトグロビンによるCD163依存的なヘモグロビン処理と細胞内取り込みは、HMGB1の存在によって遅延する可能性があることを示唆している。従って、HMGB1は遊離ヘモグロビンによる毒性効果をより長時間維持するように働くと推察される。
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現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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