研究課題/領域番号 |
19H03409
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
酒井 規雄 広島大学, 医系科学研究科(医), 教授 (70263407)
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研究分担者 |
秀 和泉 広島大学, 医系科学研究科(医), 講師 (20253073)
古武 弥一郎 広島大学, 医系科学研究科(薬), 教授 (20335649)
田中 茂 広島大学, 医系科学研究科(医), 講師 (20512651)
河合 秀彦 広島大学, 医系科学研究科(薬), 准教授 (30379846)
杉田 誠 広島大学, 医系科学研究科(歯), 教授 (50235884)
原田 佳奈 広島大学, 医系科学研究科(医), 助教 (90609744)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | セロトニントランスポーター / 小胞体ストレス / 膜輸送 |
研究実績の概要 |
1)開発済みのハイコンテント顕微鏡を駆使したセロトニントランスポーター(SERT)とその変異体を活用したERストレス緩和薬物の検索方法により、ERストレス緩和薬物候補を得る。:市販の化合物のライブラリーで検索する予定であったが、より実績のあるドラッグリポジショニング化合物ライブラリーを慶應機塾大学から提供を受けてスクリーニングを開始した。また、SERTの折り畳み不全体を分解に導く経路として、ユビキチンリガーゼのHRD1がSERTの機能調節に関与していることを見出した。 2)すでに効果が確かめられた薬物SKF-10047をツールにしてERストレス関連疾患(嚢胞性線維症、,神経変性疾患 脳虚血を含む)の病態理解と治療標的を得る。:シグマ受容体作用薬のSKF-10047(以下SKF)がSERT C 末端欠損変異体(SERTΔCT)の取り込み活性をシグマ受容体非依存性に著明に上昇させることを見出している。SKFのSERTΔCTに対する効果発現のメカニズムを明らかにする目的で、SKFより変動する遺伝子群の検索の結果から、膜輸送に関係するSNAREタンパク質のsyntaxin3(STX3)を同定した。免疫沈降、免疫組織学的検討から、STX3とSERTは過剰発現するとゴルジ体や小胞体で共局在し相互作用することでSERTの膜発現を調節することが明らかになった。また、両者を内在性に発現する大腸がん由来のCaco-2細胞では、SERTとSTX3は微絨毛に局在し、SERTの機能を調節することを明らかにした。 3) SERTの膜輸送機構とパルミトイル化の関与:SERTがパルミトイル化される膜タンパク質であることを明らかにした。SERTがパルミトイル化される候補システイン残基を同定した。SERTにおいてパルミトイル化は、小胞体からゴルジ体・形質膜への輸送の際に密接に関与していることが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
SKF-10047の作用機序に関わるSTX3とSERTの機能連関の一助を明らかにした SERTの新たな膜輸送調節機構パルミトイル化に関する知見を得た。
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今後の研究の推進方策 |
提供を受けたドラッグリポジショニング化合物ライブラリーを活用し、SERTを用いた薬物検索を進めていく SCA14変異γPKCを用いた薬物検索系を構築し、薬物検索が可能になるように検証を進めていく
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