研究課題
1)ERストレス緩和薬物候補を得る。:ERストレスの緩和薬候補として非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDS)のFlurbiprofenのSERTの膜輸送、小胞体ストレスと小胞体ストレス関連タンパク分解に対する影響を検討した。FlurbiprofenのSERT膜輸送促進効果は、NSAIDSとしてより高い活性を持つS体よりもR体の方が効果が強いことがわかり、これらの効果はFlurbiprofen が持つケミカルシャペロンとしての効果であると推定された。また、Flurbiprofenは、小胞体ストレス状況下で分子シャペロンを誘導する効果が示された。FlurbiprofenはERストレス緩和薬物として期待できる。2) 新たなハイコンテント顕微鏡を用いたERストレス緩和薬候補の検索方法を開発する。:昨年度開発した 384プレートを用いた効率的スクリーニング法を採用し、慶応大学から提供を受けたドラックリポジショニングのライブラリ―を用いて本格的にスクリーニング系を立ち上げた。3)本研究課題に関するSERT膜輸送に関連する研究概要:SERT膜輸送に関係するSNAREタンパク質のsyntaxin3(STX3)を同定した。STX3とSERTは過剰発現するとゴルジ体や小胞体で共局在し相互作用すること、また、両者を内在性に発現する大腸がん由来のCaco-2細胞では、SERTとSTX3は微絨毛に局在し、SERTの機能を調節することを明らかにした。一方、腸管のSERTはバリア機能の破綻が起因となる炎症性腸疾患、過敏性大腸炎に関与している。Caco2を腸管モデル細胞と考え、タイトジャンクションにより制御されるバリア機能とSERT活性との関連を検討中である。この過程で、バリア機能の指標となる経上皮電気抵抗 (TER)を新たな原理で測定可能な装置を開発した。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (9件) (うち国際共著 1件、 査読あり 9件、 オープンアクセス 9件) 学会発表 (10件) 備考 (1件)
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