本研究では、ヒト体細胞とヒト多能性幹細胞を用いてRNA2次構造に着目した解析を行い、特定の遺伝子の5'UTR領域が多能性幹細胞特異的な翻訳制御に寄与していることを明らかにした。また、個々のRNAのスプライシングバリアントごとにRNA2次構造を高精度で解析する手法を開発し、独自に構築したレポーターシステムを組み合わせて解析することによって、多能性幹細胞特異的に高い翻訳効率を示すスプライシングバリアントを同定しそれらのRNA2次構造を決定した。また、多能性特異的なRNA2次構造に結合しうる候補制御因子も抽出した。本研究は、転写後RNA制御ネットワーク機構と多能性維持機構の関連性を示すものである。
|