研究課題/領域番号 |
19H03432
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
藤井 雅寛 新潟大学, 医歯学系, 教授 (30183099)
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研究分担者 |
長谷川 成人 公益財団法人東京都医学総合研究所, 認知症・高次脳機能研究分野, 分野長 (10251232)
柿田 明美 新潟大学, 脳研究所, 教授 (80281012)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | ALS / ストレス顆粒 / アグリソーム / USP10 / TDP-43 |
研究実績の概要 |
筋萎縮性側索硬化症(ALS)は、運動ニューロンの細胞死を特徴とする神経変性疾患です。TDP-43は、家族性ALSや弧発性ALSの原因遺伝子産物であり、TDP-43タンパク質の凝集体は運動ニューロンに対して毒性があり、ALSの発症に深く関与している。ストレス顆粒とアグリソームがTDP-43凝集体の形成に関与していることが示唆されている。ストレス顆粒やアグリソームは、様々なストレスによって誘導される細胞質内の凝集体である。細胞をプロテアソーム阻害剤で処理すると、TDP-43はストレス顆粒に局在し、さらにアグリソームに局在して、オートファジーにより分解される。今回、我々は、ユビキチン特異的プロテアーゼ10(USP10)がALSの病態に関与していることを明らかにした。我々は、USP10タンパク質がTDP-43に結合することで、TDP-43がストレス顆粒からアグリソームへ移動すること、USP10と結合できないTDP-43の変異体が細胞質で異常な凝集体を形成することを見出した。また、TDP-43は、そのRNA結合活性が減少すると、USP10に結合できなくなることも示された。さらに、TDP-43はアセチル化されるとRNA結合活性が低下し、USP10に結合できなくなることが示された。一方、弧発性ALS患者の神経細胞で形成されたTDP-43の凝集体は、USP10を含んでいなかった。さらに、弧発性ALSのTDP-43がアセチル化されていることが報告されている。これらのことから、ALS患者のTDP-43は、アセチル化され、USP10と結合でず、USP10を含まない凝集体を形成していることが示唆された。この研究により、アセチル化され、USP10と結合できないTDP-43が異常な凝集体を形成し、神経細胞に対して毒性を発揮して弧発性ALSを引き起こしていることが示唆された。
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現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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