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2021 年度 実績報告書

細胞内の主要ATPaseであるVCPの新規機能の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19H03435
研究機関京都大学

研究代表者

垣塚 彰  京都大学, 生命科学研究科, 教授 (80204329)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワードVCP/p97 / 前立腺細胞 / フェロトーシス / GSH
研究実績の概要

本研究では、可溶性ATPaseの中で最も豊富に存在するVCPが果たす細胞・生体での新たな機能の解明と、我々が独自に開発したVCPのATPase活性を特異的に阻害する化合物KUS(KyotoUniversitySubstance)を用いて疾患モデルへの介入実験を行うことを目的とし、本年度は、以下の結果を得た。
昨年度のまでの解析でVCPが感知しているアミノ酸の減少はグルタミンの減少であること、他のアミノ酸がなくグルタミンのみが存在するとVCP蛋白質が凝集体から遊離してフリーになることで、急激な細胞死が誘導されることが判明した。また、この時、シスチンが存在するとVCP蛋白質がフリーになっても細胞死が誘導されないことが判明し、その時に減少するシスチンの代謝産物がGSHであること、それが、ROSの消費に使われるためであることが判明した。一方、GFPを融合したVCPは凝集体に移行しないことが明らかになった。そこで、本年度は、GFPを融合した野生型VCPおよびATPase活性を持たないVCP(K524A)をアミノ酸フリーの培地で発現させたところ、GFPを融合したVCPが細胞質に存在すると、そのATPase活性に関わらず、ミトコンドリアの膜電位が維持され、その結果、ROSの産生が亢進し、GSHレベルが現象することを見いだした。これらの結果から、細胞質にVCPが存在することが、ミトコンドリアの活性を維持すること、さらに、アミノ酸が減少した培地では、VCPが凝集体を形成することで、ミトコンドリアの活性が抑制され、結果、細胞内のROSの上昇とGSHの消費が抑制されることが明らかになった。
一方、KUSの投与によって、心不全モデルで、心蔵の収縮機能が劇的に回復することを見いだした。

現在までの達成度 (段落)

令和3年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和3年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 3件)

  • [雑誌論文] A novel VCP modulator KUS121 exerts renoprotective effects in ischemia-reperfusion injury with retaining ATP and restoring ERAD-processing capacity.2022

    • 著者名/発表者名
      Hata Y, Date R, Fujimoto D, Ikeda HO, Umemoto S, Kanki T, Nishiguchi Y, Mizumoto T, Hayata M, Kakizoe Y, Izumi Y, Kakizuka A, Mukoyama M, Kuwabara T.
    • 雑誌名

      Am J Physiol Renal Physiol

      巻: 322 ページ: F577-F586

    • DOI

      10.1152/ajprenal.00392.2021

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] KUS121 attenuates the progression of monosodium iodoacetate-induced osteoarthritis in rats.2021

    • 著者名/発表者名
      Iwai S, Ikeda HO, Mera H, Nishitani K, Saito M, Tsujikawa A, Kakizuka A.
    • 雑誌名

      Sci Rep.

      巻: 11 ページ: 15651

    • DOI

      10.1038/s41598-021-95173-6.

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] VCP relocalization limits mitochondrial activity, GSH depletion and ferroptosis during starvation in PC3 prostate cancer cells.2021

    • 著者名/発表者名
      Ogor P, Yoshida T, Koike M, Kakizuka A.
    • 雑誌名

      Genes Cells

      巻: 26 ページ: 570-582

    • DOI

      10.1111/gtc.12872.

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2023-12-25  

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