研究課題/領域番号 |
19H03437
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49010:病態医化学関連
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
植村 明嘉 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (30373278)
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研究分担者 |
西山 功一 熊本大学, 国際先端医学研究機構, 准教授 (80398221)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 網膜 / 炎症 / 線維化 / ペリサイト / ミクログリア / マクロファージ |
研究成果の概要 |
新生仔マウスの腹腔内に抗PDGFRβモノクローナル抗体(クローンAPB5)を投与して網膜血管壁のペリサイトを消失させると、糖尿病網膜症と同様の血管異常を再現することができる。本研究では、ペリサイト消失網膜の血管壁周囲に浸潤する単核食細胞が、活性化ミクログリアと単球由来マクロファージの双方に由来することを明らかにした。ペリサイト消失に伴う血管透過性亢進により網膜剥離が発症すると、活性化ミクログリアが網膜下に集積して線維化を誘導した。こうした線維化組織の筋線維芽細胞は、ペリサイトと網膜色素上皮細胞の双方に由来することが明らかとなった。
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自由記述の分野 |
眼科学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
糖尿病網膜症では、血管壁におけるペリサイト消失によりバリア機能が破綻する。こうした状況では炎症性サイトカインの発現が上昇し、単核食細胞が網膜内に浸潤する。さらに進行した網膜症では、線維血管増殖膜が牽引性網膜剥離をきたして失明に至る。しかし、高血糖モデル動物ではこれらの病態を十分に再現できないため、網膜における炎症と線維化の細胞・分子機構については不明な点が多い。本研究ではペリサイト消失網膜において炎症と線維化を再現し、単核食細胞や筋線維芽細胞の由来を同定することに成功した。本研究の成果は、糖尿病網膜症の病態理解を深め、新規治療標的の探索に資すると期待される。
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