研究課題/領域番号 |
19H03456
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研究機関 | 昭和薬科大学 |
研究代表者 |
伊東 進 昭和薬科大学, 薬学部, 教授 (70223154)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | TGF-β / Smad / 小腸 / 大腸 / Villin |
研究実績の概要 |
TGF-βシグナル関連遺伝子(Smad1~5、ALK5、TβRII)のFloxマウスとVillin-CreERマウスの交配を重ね、継続的にVillinCre-ERを持ったFloxマウスを得ることができるようになった。まずVillinCre-ERの特異性を確認するために、Creが働くと赤色蛍光を観察できるマウスにタモキシフェンを5日間連続投与したところ、小腸全体が赤色に染まることを確認した。 そこで、各TGF-βシグナル関連遺伝子のFloxマウスにタモキシフェンを5日間連続投与し、投与後2,6週間後に小腸からゲノムを抽出し、Villin-CreERを有しないFloxマウスと比較し、遺伝子欠損率を調べた。その結果VillinCre-ERを有しているFloxマウスはどれも高頻度で目的の遺伝子を欠損していることを認めた。さらに、小腸と大腸の組織像をHE染色で比較した。しかしながら、どのFloxマウスでも2週間と6週間で違いを見出すことはできなかった。現在、観察期間を投与後1年間まで延長し、定期的に腸の切片を作成するためにマウスにタモキシフェンを投与しているところである。同時にApc遺伝子のFloxマウスと上記TGF-βシグナル関連遺伝子のFloxマウスを交配したマウスについても作出中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
最大4週類の遺伝子欠損・トランスジェニックマウスを掛け合わせて、さらに様々なTGF-βシグナル欠損マウスについての研究を同時に行っているため、マウス作出までに時間が当初よりかかってしまった。また、マウスの表現型も短期間で観察できず、1年間ぐらいの長期間の観察が今後必要になってくる点は、予想に反した結果であった。
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今後の研究の推進方策 |
タモキシフェン投与後1年間にわたり様々なTGF-βシグナル欠損マウスの小腸・大腸の組織変化を観察し、パネル化する。さらに消化管がんを引き起こすことが知られているApc遺伝子を欠損させた際に各TGF-βシグナル欠損ががん進展に相乗作用または抑制作用があるか否かを検討していく。
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