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2020 年度 実績報告書

スポロゾイトの分泌タンパク質輸送メカニズムにおけるRAMAの作用機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19H03459
研究機関愛媛大学

研究代表者

石野 智子  愛媛大学, プロテオサイエンスセンター, 准教授 (40402680)

研究分担者 橘 真由美  愛媛大学, プロテオサイエンスセンター, 助教 (00301325)
馬場 みなみ  愛媛大学, プロテオサイエンスセンター, 研究員 (00814906)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワードマラリア / スポロゾイト / ロプトリー / タンパク質輸送
研究実績の概要

マラリア原虫の標的細胞侵入機構の主要部分を担うロプトリータンパク質群の作用機序を解明することを目標とし、ロプトリーの膜上に局在するGPIアンカー型膜タンパク質であり 、スポロゾイトの唾液腺侵入に重要な役割を担うRAMAに着目した。すでに、スポロゾイト時期特異的にRAMAの発現を抑制した遺伝子改変原虫(RAMA-cKD)作出により、RAMAがスポロゾイトの唾液腺への侵入に重要であることを明らかにしている。
今年度はさらに、切断されるRAMAのN末側の繰り返し配列領域、および成熟型と考えられるC末側のP40領域を欠損させたRAMA発現コンストラクトを、RAMA-cKD原虫に導入することで、それぞれの領域の機能を解析した。コントロールとして、full lengthのRAMAを発現させた時に、RAMA-cKDの形質は全てレスキューされた。繰り返し配列を欠いたRAMA発現原虫は得られたが、P40領域を欠損させたRAMAの発現原虫は単離できず、赤血球への感染が抑制されたためと考え、スポロゾイト特異的なプロモーターであるcspプロモーターを用いて新たな組換え原虫を作出した。なお、cspプロモーターに繋いだfull lengthのRAMAは、rama プロモーターのものに比べて中腸スポロゾイトにおける転写量は10倍程度増強された一方で、スポロゾイトの唾液腺への侵入効率は半分程度に抑制された。適切な量あるいはタイミングでのRAMAの転写が、正常なスポロゾイト形成に重要な役割を持つことが示唆される。
繰り返し領域を欠いたもの、P40領域を欠いたもの両方ともが、唾液腺への侵入が大きく抑制されることを見出し、いずれの領域もRAMAの機能に重要であることを見出した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

遺伝子改変原虫の作出およびその解析が順調に実施できている。

今後の研究の推進方策

RAMAの繰り返し領域の機能を明らかにするために、RAMA-cKDに繰り返し領域を欠いたRAMAを発現させた原虫のスポロゾイトにおける、RAMAおよび他のロプトリータンパク質の局在およびタンパク質量を、免疫電顕法とwestern blottingにより解析する。影響があったロプトリータンパク質について、full length RAMAあるいは、繰り返し領域と相互作用するのか、免疫沈降法などを用いて明らかにする。これらの解析を通じて、RAMAがロプトリータンパク質の輸送に関わる作用機序の解明を目指す。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Detection of the Rhoptry Neck Protein Complex in Plasmodium Sporozoites and Its Contribution to Sporozoite Invasion of Salivary Glands2020

    • 著者名/発表者名
      Nozaki Mamoru、Baba Minami、Tachibana Mayumi、Tokunaga Naohito、Torii Motomi、Ishino Tomoko
    • 雑誌名

      mSphere

      巻: 5 ページ: :e00325-20

    • DOI

      10.1128/mSphere.00325-20

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] RON4はマラリア原虫スポロゾイト肝臓感染の初期に役割を持つ2020

    • 著者名/発表者名
      馬場みなみ、野崎守、鳥居本美、石野智子
    • 学会等名
      第89回 日本寄生虫学会大会
  • [学会発表] スポロゾイトの唾液腺侵入におけるロプトリータンパク質の作用機序の解析2020

    • 著者名/発表者名
      石野智子、野崎守、馬場みなみ、橘真由美、鳥居本美
    • 学会等名
      第89回 日本寄生虫学会大会

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公開日: 2021-12-27  

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