本研究では、病原性真菌の腸管定着を阻害する腸内細菌と宿主免疫細胞の役割について解析を試みた。その結果、in vivoにおいて特定の腸内細菌がCandida albicansの腸管定着を阻害することを見出した。この腸内細菌は、Candida属真菌の増殖を阻害する液性因子を産生する。さらに、3型自然リンパ球がLTaを介して二次リンパ節の形成を促し、CD4陽性T細胞の分化・増殖を誘導することで、C. albicansの腸管定着を阻害していることを見出した。以上の結果から、腸内細菌ならびに宿主免疫細胞が、病原性真菌の腸管定着を阻害する防御バリア機構を担っていることが明らかとなった。
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