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2020 年度 実績報告書

多様なRNA相互作用因子を介したグラム陽性細菌の病原性制御機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19H03466
研究機関岡山大学

研究代表者

垣内 力  岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (60420238)

研究分担者 寺尾 豊  新潟大学, 医歯学系, 教授 (50397717)
古田 和幸  岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 准教授 (50644936)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード8-oxo-GTP / 酸化ストレス
研究実績の概要

SA1292遺伝子は、黄色ブドウ球菌のカイコに対する病原性に寄与するヌクレオチドピロフォスファターゼをコードする。本年度までに、SA1292遺伝子が黄色ブドウ球菌の溶血毒素遺伝子の発現に寄与すること、ならびに、SA1292遺伝子産物がGTP、TTP、UTPの分解活性を示すことを明らかにしている。本年度は、SA1292遺伝子産物のヌクレオチドピロフォスファターゼ活性が病原性に関わる分子メカニズムの解明を試みた。SA1292遺伝子産物と相同性を有するヌクレオチドピロフォスファターゼMazGが酸化型ヌクレオチドの分解に働くという知見に基づき、SA1292によるヌクレオチドピロフォスファターゼ分解活性が、酸化型ヌクレオチドに対して強いか検討した。酸化型ヌクレオチドである8-oxo-GTP に対するSA1292の分解活性は、GTPとdGTPに対する分解活性に比べて高い値を示した。次に、SA1292遺伝子欠損株が酸化ストレス条件における生存に必要であるか検討を行った。SA1292遺伝子欠損株は、過酸化水素存在下で野生株に比べて増殖速度が低下することが判明した。
以上の結果は、SA1292遺伝子産物が酸化型ヌクレオチドを分解し、酸化ストレス条件における黄色ブドウ球菌の増殖に寄与することを示唆している。これまでに代表者が黄色ブドウ球菌の様々な遺伝子欠損株について解析を行った結果、黄色ブドウ球菌の酸化ストレスに対する耐性はカイコ殺傷活性に必要であることを見出している。したがって、SA1292遺伝子産物による酸化ストレス耐性の付与はカイコ感染時に重要な役割を持つと推定される。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

1) SA1292遺伝子産物がGTPと比較して、8-oxo-GTPに対して高い分解活性を示すことを見出した。
2) SA1292遺伝子欠損株が酸化ストレスに感受性を示すことを見出した。
以上の研究成果から、本研究がおおむね順調に進展していると判断する。

今後の研究の推進方策

1) グラム陽性細菌の病原性発現に働く核酸相互作用因子の探索と機能解析
2) 黄色ブドウ球菌以外のグラム陽性細菌における核酸相互作用因子の機能の解明

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Proteolytic cleavage of HLA class II by human neutrophil elastase in pneumococcal pneumonia2021

    • 著者名/発表者名
      Domon H, Maekawa T, Isono T, Furuta K, Kaito C, Terao Y.
    • 雑誌名

      Sci Rep.

      巻: 11(1) ページ: 2432

    • DOI

      10.1038/s41598-021-82212-5.

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Total Syntheses and Chemical Biology Studies of Hymeglusin and Fusarilactone A, Novel Circumventors of β-Lactam Drug Resistance in Methicillin-Resistant Staphylococcus aureus2021

    • 著者名/発表者名
      Kanaida M, Kimishima A, Eguchi S, Iwatsuki M, Watanabe Y, Honsho M, Hirose T, Noguchi Y, Nonaka K, Sennari G, Matsui H, Kaito C, Hanaki H, Asami Y, Sunazuka T.
    • 雑誌名

      ChemMedChem.

      巻: in press. ページ: in press.

    • DOI

      10.1002/cmdc.202100219.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Animal infection models using non-mammals2020

    • 著者名/発表者名
      Kaito C, Murakami K, Imai L, Furuta K.
    • 雑誌名

      Microbiol Immunol.

      巻: 64(9) ページ: 585-592

    • DOI

      10.1111/1348-0421.12834.

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] MRSAの病原性制御機構2020

    • 著者名/発表者名
      垣内力
    • 学会等名
      第94回日本感染症学会総会 シンポジウム
    • 招待講演

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公開日: 2021-12-27  

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