細胞接着には細胞外マトリクス分子群を認識するインテグリンの活性化が伴い,これが起点となって様々な細胞内シグナルが導入されて細胞接着が確立され,増殖,分化,移動などの細胞機能が実行されることが知られていた。しかしこれを制御する機構は知られていなかった。本研究成果は細胞接着を起点に始まるシグナルを最も上流部で制御している分子がLILRB4であることを発見したものである。インテグリンなどの細胞接着は多様な生理機能のみならず疾患にも深く関わっていることは言うまでもなく,これを制御する機構が同定できたことは創薬にも新たなルートを拓くものであり,学術的,社会的意義は大きい。
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