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2019 年度 実績報告書

関節リウマチの病態形成における新規アラーミンの関与

研究課題

研究課題/領域番号 19H03492
研究機関国立研究開発法人国立国際医療研究センター

研究代表者

鈴木 春巳  国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, その他 (70235985)

研究分担者 木村 彰宏  国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 室長 (20533318)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード炎症 / アラーミン / 関節リウマチ / マクロファージ / 炎症性サイトカイン
研究実績の概要

19種類あるPrXファミリーのマクロファージにおけるIL-6産生誘導を検討したところ、いずれの分子においても程度の差こそあれ、活性を持つことが明らかとなった。IL-6以外にもTNFaも産生誘導することもわかった。受容体に関してはノックアウトマウスのマクロファージを用いて検討し、TLR4およびMD2に依存し、RAGEおよぼIL-8には依存しないことが明らかとなった。シグナル伝達に関しては、NFkBの関与が示唆され、PrXの受容体がTLR4であることとの整合性も確認された。マクロファージ以外にも樹状細胞も刺激することもわかった。PrXYについては、ATP結合活性、Zn結合活性を欠失する点突然変異体を作製して活性を検討したが、いずれの変異体も活性を失っており、これらのドメイン構造が活性発現に必須であることが示唆された。関節リウマチの患者血清の解析は、PrXファミリーメンバーにより、漏出濃度が高い群、中程度の群、およびほとんど漏出が見られない群とに分類できることがわかった。今後は高い群であるPrXC、PrXF、PrXF、PrXGの4種に特に着目して解析を進める予定である。抗体は3種のPrXに対して抗血清を作製したが、活性をブロックできる中和可能な抗血清を得ることは残念ながらできなかった。中和抗体を得ることは困難であると考え、現在PrXの活性をブロックできるペペプチドのスクリーニングを開始している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

PrXメンバーのin vitroの活性解析に関しては予想以上に進展があり、さまざまなことが明らかとなってきた。なかでも受容体を特定できた意義は大きいものと思われる。TLR4/MD2を介して炎症性サイトカイン合成が誘導されていることが明らかとなったので、今後のシグナル伝達解析の方向性が定まった。いっぽう、関節リウマチ患者血清の解析については多少の遅れが出ている。患者サンプルの取得に手間取ったこともあり、来年度からは改善されることが期待される。

今後の研究の推進方策

重要体を特定できたことは大きな進歩であるが、TLR4/MD2と直接PrXが結合しているかどうかはまだ明らかとなっていない。実際に結合しているかどうかを蛋白生化学実験を用いて明らかにしなければならない。変異体の解析は、全ての点突然変異体で活性が欠失してしまい、解釈が困難な結果となった。他のファミリーメンバーの変異体も作製し、この問題にアプローチしてゆきたい。さらに、受容体と直接結合しているのであれば、PrXのペプチドドメイン断片を用いたより直接的な生化学実験が可能になる。関節リウマチの患者血清の解析は、PrXファミリーメンバーにより、漏出濃度が高い群、中程度の群、およびほとんど漏出が見られない群とに分類できることがわかった。今後は高い群であるPrXC、PrXF、PrXF、PrXGの4種に特に集中して解析を進める予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 国際共同研究 (1件)

  • [国際共同研究] ニューヨーク大学(米国)

    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      ニューヨーク大学

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公開日: 2022-12-28  

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