研究課題
本研究では、腫瘍浸潤T細胞がneoantigenを含めどのような抗原を認識しているかを網羅的に解析し、その抗原とT細胞受容体を予測するシステムを開発することを目的としている。新鮮手術検体を用いて、1) 腫瘍浸潤T細胞レパトア解析によるがん特異的T細胞の同定、2) タンパク質の立体構造に基づく分子シミュレーションと機械学習によるがん特異的T細胞の予測、の二つの項目について解析を行った。1) 腫瘍浸潤T細胞レパトア解析によるがん特異的T細胞の同定新鮮大腸がん手術検体10検体を収集し、腫瘍浸潤T細胞および患者由来がん細胞の分離・培養した。この培養した腫瘍浸潤T細胞および患者由来がん細胞を2週間in vitroで共培養することにより、2症例のがんより腫瘍反応性T細胞を増殖させることに成功した。この腫瘍反応性T細胞のTCRレパトア解析を行い、TCRalpha/betaペアを同定し、TCR遺伝子導入T細胞の作製を行った。この腫瘍反応性遺伝子導入T細胞は患者由来がん細胞を認識することを確認した。Tandem minigeneを用いて、ネオアンチゲン反応性を検証し、ネオアンチゲン認識T細胞の存在も明らかとなった。2) タンパク質の立体構造に基づく分子シミュレーションと機械学習によるがん特異的T細胞の予測これまでに同定したネオアンチゲン特異的T細胞のTCR遺伝子導入T細胞を用いた解析により、変異ペプチドに特異的なTCRと正常型ペプチドとも交差反応を示すTCRが存在することを明らかにした。現在、ドッキングシミュレーションと機械学習を用いたpeptide-HLAの結合予測系を用いて、予測されたネオアンチゲンペプチドとHLAとの結合予測を行い、変異特異的TCRおよび正常と交差反応を示すTCRの構造的な違いのパターンを検出した。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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