近年になり、分子標的薬やがん免疫療法などを含む各種薬物療法の目覚ましい進歩により、進行肺がんの予後は著しい改善がみられてきたが、獲得耐性の出現が大きな問題である。本研究では、いつ、どのように、耐性は生じていき、耐性の出現が避けられない原因と考えられる治療後のわずかな残存細胞の性状を明らかにし、新規治療標的となる分子やパスウェイと新規治療法の探索を行った。3年間の研究の結果、ALK融合遺伝子陽性肺がんでは治療残存細胞でGSK3が標的となりうることを発見し、多剤耐性のALK耐性変異にも有効な治療法を見出すなどに成功し論文として発表した。
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