研究課題
基盤研究(B)
Integrated Stress Response (ISR)は、細胞内の代表的な代謝ストレス応答経路であり、細胞防御機構として機能する。本研究では、種々のがん化シグナルやその関連因子による、がん細胞のISR制御の分子機構や腫瘍増殖における役割に焦点を当て研究を進めた。そして、がん化シグナルの下流でISRの制御に関わる因子の同定に成功した。また、ISRの制御機構を破壊し合成致死を誘導する治療法開発に向けた研究を推進した。
腫瘍治療学(がん分子標的治療)
本研究の学術的特色は、がん細胞の代謝ストレス応答のなかで、がん化シグナルによって制御されるメカニズムを明らかにし、がん特異的にストレス応答を破綻させる方法を開発しようという点にある。基盤的な情報を蓄積することに加え、既に臨床で使用されているがん化シグナル阻害剤を用いた実証的な検討も行った。速やかな臨床応用の可能性も期待される本研究の成果は、新たながん治療法の開発という社会的要請に応えるものと位置づけられる。