研究課題/領域番号 |
19H03529
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
井上 徳光 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (80252708)
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研究分担者 |
日高 義彦 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (40624713)
赤澤 隆 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪国際がんセンター(研究所), その他部局等, がん創薬部主任研究員 (80359299)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 乳酸 / がん微小環境 / 腫瘍免疫 / IL-23 / ヒストン修飾 |
研究実績の概要 |
我々は、世界に先駆けて、単なる解糖系の終末代謝産物であると考えられていたがんから放出される乳酸が、がん周囲の異常な免疫環境を形成するのに関与する事を発見した。乳酸が、骨髄系細胞やマクロファージに働き、4つのシグナル経路を活性化することを明らかにしてきた。すなわち、乳酸イオンによる IL23産生依存的及び非依存的IL17産生誘導経路、乳酸とともに放出されるプロトンによる免疫抑制経路、そしてエピジェネティックな変化である。今回、Histone H3K27のAcetyl化の亢進が、脾細胞において、CD4陽性T細胞との相互作用依存的に、単球に加えて、B細胞においても特異的に誘導されていることを明らかにした。B細胞では、Histone H3K27のAcetyl化の亢進とともに、IL10産生を増強し、Regulatory B細胞数の増加を促進した。乳酸によるこの応答は、EPAC signalによって抑制された。これらの結果を学会で発表するとともに、現在、論文準備中である。また、乳酸によるIL23A遺伝子の発現誘導に関わる因子を探索するために、J774細胞株においてIL23Aプロモータ領域を用いて、乳酸依存的にEGFPを発現するシステムを開発した。この細胞株を用いてゲノムワイドCRISPRスクリーニングによって、IL23A増強に関わる5つの遺伝子を同定した。これらの遺伝子を破壊した細胞株では、Toll様受容体によるIL23Aの誘導は、野生型と変化なくおこるが、乳酸による増強は消失した。現在、これらの遺伝子の機能を解析するために、遺伝子破壊細胞での機能解析、およびコンディショナルノックアウトマウスを作製し、in vivoでの解析を進行中である。
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現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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