研究課題
胸部難治癌の組織・血液試料と多数の遺伝子・蛋白質の解析技術や血液中の微量分子の検出技術を基盤として、実用的バイオマーカーとなりうる癌由来分子を同定・検証し、発癌リスクから疾患発症・増悪を早期に感知する分子病態診断法を実用化し、その迅速な癌予防・診断・治療への展開による癌年齢層の健康寿命の延長をめざして、(1)胸部難治癌の発症リスクや早期癌を検出する診断系の開発、(2)胸部難治癌のプレシジョン医療に応用可能な診断系の開発、(3)胸部難治癌の低侵襲迅速病態診断系の確立と実装化モデルの構築等に向けた基盤整備を行った。平成31年度は、第1段階として解析基盤の確立とバイオマーカー候補分子の探索に取り組んだ。難治癌血液試料の核酸・プロテミクス検出技術による解析では、リキッドバイオプシーマーカーを同定することを目的に、血液プロテオーム解析及び癌組織のゲノム・プロテオーム解析技術(網羅的遺伝子発現解析、次世代シークエンス解析等)で独自に同定した胸部悪性腫瘍で特異的に産生され、細胞の増殖・遊走・浸潤能等に関わることが確認されているリキッドバイオプシーマーカー候補につき、その検出頻度、機能等を踏まえて有望な解析対象を選定し、さらに、各種の遺伝子・蛋白質データベースを参照することにより、その発現・遺伝子変異の分布、分子経路のより広範な検証を行って、引き続き高精度分子解析の予備検討を行った。また、バイオマーカー候補分子の臨床病理学的解析では、バイオマーカー候補につき、相関解析に必要な臨床試料情報を収集した。
2: おおむね順調に進展している
難治癌試料を用いた微量分子の高精度分子解析技術の基盤の確立に取り組み、また、リキッドバイオプシーマーカー候補分子の探索および臨床試料情報の収集を図ることにより解析基盤を整備できたため。
引き続き難治癌血液試料の核酸・プロテミクス検出技術による解析や臨床病理学的解析を順次進めるとともに、第2段階として免疫組織学的バイオマーカー候補分子の探索を行う。
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