研究課題
フコシル化ハプトグロビンに対する次世代型糖鎖抗体10-7Gを使った免疫組織染色により、一部の膵臓がん(1/21)と膵臓がん周囲に存在するマクロファージを含む血球細胞からフコシル化ハプトグロビンが産生されることを見出した。ex vivoの実験としてマクロファージ様細胞に分化したTHP-1細胞を低酸素刺激すると、フコシル化ハプトグロビンの産生が著増することがわかった(Glycoconj. J 2021)。また10-7G抗体が認識するプロハプトグロビンが、炎症性腸疾患の活動性を示す血中バイオマーカーであることを発見し、特に潰瘍性大腸炎では内視鏡的な炎症の程度と最も相関することがわかった。免疫組織染色では、10-7G 抗体は腸管に浸潤したリンパ球やリンパ濾胞で強染色された。ROC解析では、CRPやLRGなどの既知のバイオマーカー以上の有用性が示され、国際特許出願にも至った(World J Gastroenterology 2021)。私たちが開発した糖鎖バイオマーカーMac-2bpが、7年後の肝綿維化の予測マーカーであるとともに、大腸がん発症リスクでもあることを見出した(Nutrients 2021, Hepatology communications in press)。阪大泌尿器科との共同研究によってPSAのコアフコシル化を検出するシステムを開発し、前立がんの組織学的悪性度を反映するバイオマーカーとなることを証明した(Int J Cancer 2021)これらの糖鎖バイオマーカーに関する研究に加えて、ゴルジ体以外でシアル酸修飾が行われるという新しい糖鎖生合成の概念の発見に関する研究などを行った (J Biological Chemistry 2021)。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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