研究課題
京都府立医科大学の臨床全科が参加し、15年間追跡し、死因も検討することでコホート研究を行う。また、基礎研究・臨床研究のこれまでの研究と遺伝子研究を融合し、老化予防の機序解析も行い、健康長寿の因子を科学的に解明する。(1)調査項目に関する試料や情報の収集を2年に1回,京丹後市立弥栄病院で実施するドックに準じて無償で心エコー、脈波、320列全身CT、認知症検査、運動検査を追加する形で実施する.(2) 弘前大学では2005年度に弘前市岩木地区の住民を対象とするコホート(岩木コホート)を立ち上げ,毎年2000項目にわたる健康・医療情報を収集している.青森県は平均寿命が全国で最も短い県であるため,本調査で得られたデータの分析に当たっては,岩木コホートのデータを対照群データとして利用する.(3) 健康状態の把握,追跡期間中の罹患,転出,死亡に関する情報を把握するために,アンケートおよび聞き取り調査を行う.栄養摂取評価に関して食習慣アセスメント(BDHQ)既成問診票を用いて実施する.「病歴閲覧に関する同意書」「住民票閲覧に関する同意書」への署名を求め、住民票照会・請求,がん登録情報との記録照合や診療情報の閲覧, および死亡小票・死亡票あるいは死亡診断書の閲覧による追跡調査を行う.(4)2021年3月現在820 名の初回健診データの整理と更に高齢者の健診を促すために京丹後地域の全域(京丹後市、伊根町、宮津市、網野町)の保健所、行政にさらなる連携を依頼し、健診者の協力を依頼するとともに、持続研究に必要な地域への結果還元のために京丹後地域で結果報告会を行う。
2: おおむね順調に進展している
京丹後地域の人口約10万人のうち百寿者は全国平均のおよそ2.95 倍おられる.また京丹後市民のおよそ35%が65歳以上の高齢者である.そこで,本研究は,65歳以上の京丹後市民から下記の調査項目に関する健康・医療データを経時的に収集・蓄積し,このデータを用いて長寿,特に健康長寿の背景因子を明らかにすることを目的としている。この研究にて,健康・医療データをAIを用いて解析している。2021 年度は、新型コロナウイルス感染対策をしつつ、休み無く健診が実施できた。12 月には健診を受けていただいた方に結果を還元すべく、第4回長寿研究報告会を、京丹後市から無観客開催にて実施した。この内容は YOU TUBEや地域のケーブルテレビでも閲覧可能となっている。基礎研究として、血管内皮機能改善に関わる物質を探索し、詳細を検討中である。また、眼科、整形外科以外に消化器内科(肝臓グループ)のさらなる積極的な参加が決定し関係研究者が増加している。JSTのCOI拠点プロジェクト「真の社会イノベーションを実現する革新的「健やか力」創造拠点」とともに健康長寿の医学的メカニズムの解明を進めている.
京都大学 奥野研究室と共同研究を進めるとともにAI解析を用いて長寿や老化、運動能力、血管年齢、認知症に関わる因子を検討を進める。候補物質が、長寿・老化関連の原因といえるかを、基礎的に実証するために、遺伝子改変マウスの病理所見や運動負荷試験、培養細胞への遺伝子導入等を研究を継続する。
すべて 2022 2021
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件、 オープンアクセス 5件)
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