研究課題/領域番号 |
19H03571
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
池内 健 新潟大学, 脳研究所, 教授 (20372469)
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研究分担者 |
三浦 健 新潟大学, 脳研究所, 非常勤講師 (10838329)
今野 卓哉 新潟大学, 脳研究所, 助教 (20837372)
目崎 直実 新潟大学, 脳研究所, 非常勤講師 (30838404)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | ミクログリア |
研究実績の概要 |
神経細胞,オリゴデンドロサイトの正常な機能を維持するためにミクログリアは重要な役割を果たしている。本課題は,ミクログリアの本質的な機能破綻を原因とする「一次性ミクログリア病」に着目して研究を進める。ASLP (adult-onset leukoencephalopathy with spheroids and pigmented glia) / HDLS (hereditary diffuse leukoencephalopathy with spheroids) は代表的な一次性ミクログリア病であり,ミクログリアの分化および機能維持を調節する鍵分子であるcolony stimulating factor-1 receptor (CSF1R)の遺伝子変異を原因とする。本課題では「CSF1Rシグナル伝達がミクログリアの異常を惹起する」という仮説をたて,ALSP/HDLSで生じるCSF1R異常を介したミクとグリア機能破綻を剖検脳,患者由来生体試料ならびにモデルマウスを用いた多角的な解析を行う。具体的には1)CSF1R 変異を導入した培養細胞におけるCSF1Rキナーゼ活性解析,2)ALSP/HDLS患者脳におけるミクログリア病理と病態,3)ALSP/HDLS患者由来のミクログリア様細胞の解析,4)CSF1R KOマウス能とALSP/HDLS患者脳との比較,について明らかにする。ミクログリア異常を起点とする一次性ミクログリア病の解析により,新たなミクログリア病態学を創出し,従来にない視点から神経疾患発症メカニズムを理解することを目指す。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ALSP/HDLS患者において新たなCSF1R変異を同定し,培養細胞を用いたCSF1R自己リン酸化の検討を行い病原性を確認した。CSF1R変異を有するALSP/HDLS患者由来の生体試料は順調に蓄積されており,ミクログリアに着目した解析を進めた。
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今後の研究の推進方策 |
ALSP/HDLSに加え,両アレル性CSF1R変異による小児発症の白質脳症を同定しており,CSF1Rチロシンキナーゼ活性と表現型の検討を行う。生体試料を持ちいた解析では,恒常性ミクログリアに関連する分子に着目した解析を進める。
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