研究課題
1.CAA剖検脳における脳内炎症とAβ排泄機能の障害機序の解明アルツハイマー病、CAA患者の末梢血のプロテオーム解析の結果から、微小血管に発現する補体が血液中に移行している可能性が示唆される。また、AD剖検脳の検討で、毛細血管にAβ沈着が生じるCAA type 1では、Aβ陽性毛細血管に選択的に補体(C1q、C3d)、ApoE蛋白の沈着を認める一方、毛細血管にAβ沈着を認めないCAA-type 2群の毛細血管ではこれらの蛋白質の異常沈着を認めなかった。さらに、炎症性蛋白であるPTX3は補体の活性化抑制、血管透過性の亢進抑制に関与するが、補体陽性の毛細血管周囲のグリア細胞に陽性反応認め、GFAPとの二重標識でアストロサイトであることを確認した。2.CAAにおけるグリンパティック系の変化臨床病理学的にCAAと診断された18ヒト剖検脳を対象にグリンパティック系の変化を調べた。CAA typeⅠは11例、typeⅡは7例であった。アクアポリン(AQP)4がグリンパティック系の制御に重要な機能を果たしていることから、毛細血管のAQP4陽性率をCAA typeⅠ、typeⅡに分けて検討したところ、typeⅠはtypeⅡに比し有意に高値であり (p<0.001)、AQP4が毛細血管レベルでのAβクリアランスに関与する可能性が示された。いっぽう、CAAモデルマウスを対象に慢性低灌流負荷を行うことでAβの沈着が促進され、変性血管に補体が沈着する。AQP4の発現がこれらの変性血管で変化することを検討している。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Front Cell Neurosci
巻: 16 ページ: 818288
10.3389/fncel.2022.818288
Sci Rep .
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