研究課題/領域番号 |
19H03578
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
三島 和夫 秋田大学, 医学系研究科, 教授 (40239223)
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研究分担者 |
竹島 正浩 秋田大学, 医学部附属病院, 講師 (60778736)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 睡眠-覚醒障害 / 睡眠状態誤認 / 精神疾患 / 不眠症 |
研究実績の概要 |
本研究では、慢性不眠症の治療抵抗要因の中で最も対応に困窮する睡眠状態誤認(Sleep state misperception; SSM)のリスク要因分析、臨床診断および治療法の開発を行う。本年度は、病床で睡眠-覚醒障害を有する患者の客観的睡眠状態を経日的に連続測定できる非接触型睡眠センサーEarlySense(EarlySense社)、腕時計型活動量計Fitbit Sense(Fitbit社)、腰帯部装着型活動量計MTN(キッセイコムテック社)、携帯型脳波計SleepGraph(プロアシスト社)を選定し、病棟および外来診療棟内でのWifi経由のデータストレージおよび解析システムを構築した。教師データである睡眠ポリグラフ検査と同時測定することで、睡眠-覚醒障害および精神疾患患者でのそれぞれのデバイスの精度検証試験を行った。睡眠障害を呈している精神疾患患者26名(平均年齢44.8 ±14.0歳、M/F=6/20、統合失調症18名、大うつ病性障害5名、双極性障害3名)、慢性不眠症患者53名(平均年齢53.1±15.8、M/F=21/32)、概日リズム睡眠・覚醒障53名(平均年齢28.4±11.7、M/F=29/24)を対象とし、活動量計もしくは携帯型脳波計を用いて客観的睡眠データを採取した。また、睡眠-覚醒障害に起因する日中機能障害については、ePROシステムを用いてBACS、JART25、CGI-S、PANAS、STAI、EQ-5D-5L、QIDS-J、GAD-7等の認知機能、不安、抑うつ、QOLデータを収集した。これらの作業を通じて、原発性睡眠-覚醒障害および精神疾患に伴う二次性不眠症患者における主観的/客観的睡眠状態/日中機能障害の複数日にわたる評価を行い、SSMの実態解明、リスク要因分析のための解析資料を取得した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
睡眠状態誤認を評価するためのシステム構築に時間を要し、研究費の一部を次年度繰越したが、システム構築後は順調にデータサンプリングを行えている。
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今後の研究の推進方策 |
分析に供するデータをさらに収集する。また、本研究事業で収集したPSGデータおよび臨床指標(社会認知機能、QOL、抑うつ不安尺度データ)を用いて、SSMを同一患者内、通常生活環境下で長期的に追跡し、SSMのリスク要因を分析する。
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