研究課題/領域番号 |
19H03578
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
三島 和夫 秋田大学, 医学系研究科, 教授 (40239223)
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研究分担者 |
榎本 みのり 東京工科大学, 医療保健学部, 講師 (60415578)
竹島 正浩 秋田大学, 医学部附属病院, 講師 (60778736)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 睡眠-覚醒障害 / 睡眠状態誤認 / 精神疾患 / 不眠症 |
研究実績の概要 |
本研究では、慢性不眠症の治療抵抗要因の中で最も対応に困窮する睡眠状態誤認(Sleep State Misperception; SSM)のリスク要因分析および治療法の開発を行う。治療抵抗性の慢性不眠症患者31名(平均年齢63.2歳)、対照健常群42名(同59.6歳)が研究に参加した。就床習慣とアクチグラフMTNでの同時記録を行った。得られた結果は以下の通りである。 1)睡眠パラメータの比較:不眠症群は対照群に比較して、主観的TSTは62分短く、WASOは39分長く、SOLを28分長く報告していた。一方で不眠症群は対照群に対して客観的パラメータは有意な差を認めなかった。 2)就床行動の比較:不眠症群は対照群に比較して、就床時刻が有意に早かったが(33分)、起床時刻は両群間で差を認めず、その結果、総就床時間は有意に延長していた(45分間)。 3)睡眠および日中機能障害:不眠症群は対照群に比較して、AIS(9.0 vs. 5.0点)、SDISS(8.1 vs. 3.9点)、PSQI(11.3 vs. 5.5点)と、全ての尺度で睡眠および日中機能障害が不良であった。 4)就床行動:不眠症群では就床時間が長いほど主観的および客観的TSTの解離が大きかった。また、就床時刻が早いほど主観的および客観的TSTの解離が大きかった。 以上の結果から、不眠症群は客観的不眠重症度に比較して、睡眠状態をより重篤に主観評価していた。いわゆる不眠症患者に特徴的とされるSSMが本研究における対象患者においても確認された。また本研究では不眠症患者の就床行動がSSMに関連していることも明らかになった。このことは不眠症に対する認知行動療法(Cognitive Behavioral Therapy for Insomnia; CBT-I)の主要コンポーネントである睡眠制限法の理論的根拠とも合致した所見である。
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現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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