研究課題
15名のアルツハイマー型認知症患者および10名の認知機能健常被験者に対して、トランスロケーター蛋白に特異的に結合する放射性薬剤:11C-DPA-713を用いたPET分子イメージングにより脳内炎症病態を定量し、臨床症状評価および髄液・血液中の炎症関連物質の定量を実施し以下の結果を得た。1)11C-DPA-713による脳内炎症病態の定量解析方法を検証。動脈血データを用いた定量では1コンパートメントモデルが最適であり、また神経原線維変化の脳内進展に基づくブラークステージ(BS)で最も進展の遅い領域:ブラーク6領域を参照部位にすれば、動脈血を用いることなく炎症に関連する特異的結合の評価が可能なことを示した(Nucl Med Biol.2022;108-109:76-84.) 2)脳内炎症病態と臨床症状との関連を検証。認知症における行動・心理症状評価尺度であるNeuropsychiatric Inventory Questionnaire (NPI-Q)における興奮/易刺激性得点とBSにおけるブラーク1-3領域(扁桃体、海馬/海馬傍回、紡錘状回、舌状回)における11C-DPA-713特異結合値において有意な正相関を認めた。興奮/易刺激性を呈する群で有意な特異結合の増加を認めた。扁桃体および内側側頭葉領域の炎症病態が興奮/易刺激性に関連することが示された(投稿準備中)3)血液中の炎症関連物質を用いた脳内のPET炎症定量値の推定可能性について変数減少法に基づく重回帰分析を用いた検討を行った。従属変数として炎症を反映する11C-DPA-713特異結合値。独立変数として年齢、性別、診断とともに血清内のグリア細胞関連物質の血清中濃度を用いた。結果は性別と診断を共変量としたグリア細胞関連物質の血清中濃度を用いたモデルにより脳内のPET炎症定量値が推定可能であることを示した(投稿準備中)
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2022 2021
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件)
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