研究課題
本研究の目的は、1. 最新型高分解能PET/CTを用いた非侵襲的炎症性プラークの可視化。2. PETでの炎症性プラーク描出と病理所見との対比による検査の妥当性の評価。3.生活習慣病、炎症性サイトカイン、MMP、酸化ストレス、心筋壊死組織の炎症性活動性に対する影響を明らかにし、炎症性プラーク形成の機序解明。4. 糖尿病、脂質異常症、高血圧、喫煙に対するガイドラインに遵守した生活習慣病の最適化内服加療や冠血行再建術の炎症性プラーク治癒に対する効果を検証である。今年度の実績としては、1. 倫理委員会での承認へ得た。また、EDCシステムを構築し、患者データ入力を可能とした。2. 北海道大学病院および関連施設に通院または入院中の急性冠症候群8名、安定冠動脈疾患6名、計14名と非冠動脈疾患群の5名を前向きに登録した。3. 実際の被検者の撮像にあたって、撮像プロトコルの最適化を行った。また、ファントム画像を使用し、画像再構成条件の最適化のためのデータ収集を行った。4.Metavolに改良を加えて、心血管系に集積したFDGの集積強度、集積範囲を客観的に測定するためのソフトの改良に着手した。本研究の意義は、最新型PET/CT装置をいち早く導入し、冠動脈、頚動脈、大動脈といった血管の炎症の可視化と定量評価を確立したことにある。この研究により、冠動脈疾患患者に対して、心筋梗塞発症リスクのある病変や患者を同定し。致死的な心血管イベントを予防・治療できる可能性がある。
1: 当初の計画以上に進展している
臨床研究の実施、患者登録システムの構築を行えたため。
引き続き患者の登録を継続する。
すべて 2020
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)
The British Journal of Radiology
巻: 93 ページ: 20190836
10.1259/bjr.20190836