研究分担者 |
孫田 惠一 北海道大学, 大学病院, 副放射線技師長 (20636419)
平田 健司 北海道大学, 医学研究院, 准教授 (30431365)
真鍋 治 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 特任助教 (40443957)
真鍋 徳子 自治医科大学, 医学部, 教授 (70463742)
志賀 哲 福島県立医科大学, 公私立大学の部局等, 教授 (80374495)
石田 雄介 北海道大学, 医学研究院, 助教 (80649088)
長内 俊也 北海道大学, 医学研究院, 助教 (90622788)
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、1. 最新型高分解能PET/CTを用いた非侵襲的炎症性プラークの可視化。 2. PETでの炎症性プラーク描出と病理所見との対比による検査の妥当性の評価。3.生活習慣病、炎症性サイトカイン、MMP、酸化ストレス、心筋壊死組織の炎症性活動性に対する影響を明らかにし、炎症性プラーク形成の機序解明。4. 糖尿病、脂質異常症、高血圧、喫煙に対するガイドラインに遵守した生活習慣病の最適化内服加療や冠血行再建術の炎症性プラーク治癒に対する効果を検証である。 結果:42例(年齢は63±11歳、男性33例[79%])を前向きに登録した。急性心筋梗塞(n=27)、安定狭心症n=9)と非冠動脈疾患(n=6)であった。炎症を反映する定量的target blood比はそれぞれ群で左冠動脈主幹部(1.45±0.35, 1.43±0.27, 1.30±0.18, P[ANOVA]=0.57)、左頚動脈(2.41±0.39, 2.38±0.67, 2.53±0.54, P=0.80)、上行大動脈(2.16±0.49, 2.13±0.45, 2.23±0.24, P=0.92)と群間に差は認めなかった。左冠動脈主幹部のTBRが1.5以上のリスク群と考えられる患者は、それぞれ17%, 56%, および41%に認めたことから(P=0.32)、急性心筋梗塞だけではなく安定狭心症患者にも半数弱にプラーク破綻のリスクがあると考えられた。 本研究の意義は、最新型PET/CT装置をいち早く導入し、冠動脈、頚動脈、大動脈といった血管の炎症の可視化と定量評価を確立したことにある。この研究により、冠動脈疾患患者に対して、心筋梗塞発症リスクのある病変や患者を同定し。致死的な心血管イベントを予防・治療できる可能性がある。
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