研究課題
人工知能技術を利用し,がんの放射線治療における「腫瘍の制御確率の予測プログラム」,および「正常組織の有害事象予測プログラム」に関する基盤的研究を行い,臨床で利用可能なプログラムの開発につなげるためのトランスレーショナルリサーチを行う.治療効果予測は,実験腫瘍およびヒト腫瘍組織の放射線照射による変化の機械学習から効果予測プログラムを作成する.正常組織への影響はこれまでの小児がんの放射線治療例の画像所見の変化の機械学習から,骨の変形など小児の成長過程を考慮した有害事象予測プログラムを作成する.病理組織学的変化に基づく腫瘍の制御確率の予測プログラムについては,2019年度は無治療時および照射時の病理標本を収集した.約50例の子宮頸癌の治療効果を反映するサンプルが取得可能であった.画像化,標準化して領域を抽出後,その特徴を抽出しするプロセスを開始した.小児の成長過程における正常組織の有害事象予測プログラムでは,2019年度はまず画像の特徴抽出に取り組んだ.画像取得→領域抽出→特徴抽出の過程において,骨の構造の複数の対応する特徴点を明示し,その非線形な変形量と線量分布の関係性を学習させる過程において,MRIから骨構造を抽出することが一つの問題点として浮かび上がってきた.今後,この点を克服しながら多数例の過去の画像変化から照射線量と骨の成長率の計算式を作成することとしている.本研究は,がんの放射線治療において起こる事象を,より確実に「見える化」するための新たなシステムの開発を行うものである.
2: おおむね順調に進展している
病理組織学的変化に基づく腫瘍の制御確率の予測プログラムについては,2019年度は無治療時および照射時の病理標本を収集した.約50例の子宮頸癌の治療効果を反映するサンプルが取得可能であった.画像化,標準化して領域を抽出後,その特徴を抽出しするプロセスを開始した.小児の成長過程における正常組織の有害事象予測プログラムでは,2019年度はまず画像の特徴抽出に取り組んだ.画像取得→領域抽出→特徴抽出の過程において,骨の構造の複数の対応する特徴点を明示し,その非線形な変形量と線量分布の関係性を学習させる過程において,MRIから骨構造を抽出することが一つの問題点として浮かび上がってきた.今後,この点を克服しながら多数例の過去の画像変化から照射線量と骨の成長率の計算式を作成することとしている.
小児のフォローアップにはCTでなく,被曝低減のためMRI画像を主に用いる.このため,MRI画像からダイレクトに骨を正確に抽出する必要があり,この部分でMRI画像からCT画像への変換にAIを用いる方法を検討している.実際の手順は下記のように考えている.①CT画像と同時期に撮影された頭頸部のMRI画像を準備,②MRI画像の補間によりCT画像とスライスを一致させる,③CT画像を教師データとしてMRI画像からのCT画像変換を深層学習により学習,④MRI→CT画像変換のアルゴリズムを構築する.その後,骨の成長率の数値化と形状変化予測するために,①MRIから変換したCT画像から骨の輪郭を抽出,②照射前の骨の輪郭とフォローアップ時の輪郭の形状変化を計測,③形状変化と線量との関係を計測,④線量を入力として輪郭の形状変化率を計算する関数を作成するという一連の検討を実施してゆくこととする.
すべて 2020 2019
すべて 雑誌論文 (25件) (うち査読あり 25件、 オープンアクセス 10件) 学会発表 (21件) (うち国際学会 11件、 招待講演 6件) 図書 (8件)
International Journal of Gynecologic Cancer
巻: 30 ページ: 473~479
10.1136/ijgc-2019-000925
Journal of Radiation Research
巻: 61 ページ: 221~230
10.1093/jrr/rrz093
Anticancer Research
巻: 40 ページ: 999~1006
10.21873/anticanres.14034
The British Journal of Radiology
巻: 93 ページ: in Press
10.1259/bjr.20190375
Journal of Pediatric Hematology/Oncology
巻: 42 ページ: e12~e17
10.1097/MPH.0000000000001620
International Journal of Radiation Oncology*Biology*Physics
巻: 106 ページ: 82~89
10.1016/j.ijrobp.2019.09.013
巻: 42 ページ: e18~e24
10.1097/MPH.0000000000001570
Surg Today
巻: in Press ページ: in Press
10.1007/s00595-020-01961-4
Radiation Oncology
巻: 14 ページ: 241-241
10.1186/s13014-019-1451-5
Molecular and Clinical Oncology
巻: 12 ページ: 31-35
10.3892/mco.2019.1950
AIP Conference Proceedings
巻: 2160 ページ: 1-10
10.1063/1.5127705
Hepatology Research
巻: 49 ページ: 1109~1113
10.1111/hepr.13411
International Journal of Urology
巻: 26 ページ: 971~979
10.1111/iju.14041
Journal of Applied Clinical Medical Physics
巻: 20 ページ: 86~94
10.1002/acm2.12706
International Journal of Particle Therapy
巻: 6 ページ: 35~41
10.14338/IJPT-18-00046.1
Journal of Oncology
巻: 2019 ページ: 1~7
10.1155/2019/3580379
巻: 11 ページ: 24-30
10.3892/mco.2019.1861
Radiation Protection Dosimetry
巻: 183 ページ: 45~49
10.1093/rpd/ncy269
Radiotherapy and Oncology
巻: 133 ページ: S784~S784
10.1016/S0167-8140(19)31864-X
巻: 136 ページ: 37~43
10.1016/j.radonc.2019.03.012
Translational Cancer Research
巻: 8 ページ: 14~16
10.21037/tcr.2018.11.01
AMERICAN JOURNAL OF RESPIRATORY AND CRITICAL CARE MEDICINE
巻: - ページ: 199-199
10.1164/ajrccm-conference.2019.199.1_MeetingAbstracts.A2958
巻: 105 ページ: E522~E523
10.1016/j.ijrobp.2019.06.2418
J Cancer Res Clin Oncol
巻: 146 ページ: 711-720
10.1007/s00432-019-03096-7
Int J Clin Oncol
巻: 25 ページ: 354-361
10.1007/s10147-019-01553-4