研究分担者 |
鷺野谷 利幸 一般財団法人脳神経疾患研究所, PETセンター, センター長 (10274903)
神谷 伸彦 川崎医科大学, 医学部, 講師 (10614282)
佐藤 まり子 一般財団法人脳神経疾患研究所, 南東北BNCT研究センター, 医長 (30645263)
高井 良尋 一般財団法人脳神経疾患研究所, 南東北BNCT研究センター, センター長 (50107653)
村上 昌雄 一般財団法人脳神経疾患研究所, 南東北がん陽子線治療センター, センター長 (50210018)
一瀬 浩司 弘前大学, 医学部附属病院, 医員 (50832903)
廣瀬 勝己 一般財団法人脳神経疾患研究所, 南東北BNCT研究センター, 診療所長 (60623767)
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研究実績の概要 |
薬剤製造: 18O-O2ガスを用いる新たなFBPA製造法が、機関内PET薬剤委員会で承認され、一製造で4PET計測が可能になった。 動物モデル実験:担癌マウスでFRP170-PETの高集積部位(低酸素部位領域)とPimonidazole組織染色による低酸素領域の分布はよく似ているが、後者は腫瘍辺縁や正常皮膚への非特異的な所見が複数散見され、FRP170-PETは低酸素部位をよく反映していると考えられた。 臨床研究-1:FBPA-、FRP170-及びFDG-PET/CTの比較を頭頸部癌被験者8例で、FBPA-とFRP170-PET/CTの比較を被験者5例で実施した。各薬剤の腫瘍集積値SUVmaxは、夫々4.1 (range, 2.6-10.2)、1.8 (1.3-2.2)、8.8 (2.4-14.0)であった。FBPAとFDGのSUVmaxには正の相関 (r = 0.79)が、FBPAとFRP170には弱い正の相関(r = 0.41)が認められた。また、FBPAとFRP170の集積分布は異なり、FRP170はFBPAより内側に局在する傾向があり、中心部の低酸素領域の存在が示唆された。 臨床研究-2:BNCTの治療効果に対するFBPA-PET/CTの事前予測の可能性について、33例36病変について検討に入った。FBPA-PETのSUVmaxは5.6 (range, 2.5-12.5)であったが、まだBNCT実施の結果を評価できる時期に達しておらず、研究期間終了後になる。 付随した臨床研究:FBPA-やFRP-170 PETを実施した被験者の治療前FDG-PETで、腋窩リンパ節や三角筋に予想外の集積が多数認められ、機関内の237症例で調べた結果、腋窩リンパ節への集積はCOVID-19ワクチン接種による免疫反応を反映し、三角筋への集積は病的集積と関係なかった。
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