研究課題/領域番号 |
19H03610
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研究機関 | 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 |
研究代表者 |
河村 和紀 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 放射線医学総合研究所 先進核医学基盤研究部, グループリーダー(定常) (50401766)
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研究分担者 |
藤永 雅之 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 放射線医学総合研究所 先進核医学基盤研究部, 主任研究員(定常) (70623726)
張 明栄 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 放射線医学総合研究所 先進核医学基盤研究部, 部長(定常) (80443076)
山崎 友照 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 放射線医学総合研究所 先進核医学基盤研究部, 主任研究員(定常) (80627563)
謝 琳 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 放射線医学総合研究所 先進核医学基盤研究部, 主任研究員(定常) (30623558)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | PET / 18F / 11C / 光線力学的療法 / 光感受性物質 |
研究実績の概要 |
本年度は、光線力学的療法の光感受性物質であり、ポジトロン断層撮影法(PET)用放射性核種であるをフッ素-18を標識できるBoron dipyrromethene(BODIPY)誘導体の中から光感受性物質として有用性の高いと考えられる化合物を探索した。その中から光感受性物質としての有用性がより高いと考えられたPyrrolopyrrole aza-BODIPY化合物(PPAB1)のフッ素-18標識についての可能性を検討した。次に、PPAB1のフッ素-18標識合成方法を探索し、標識合成に必要な量のPPAB1化合物合成に着手した。結果として、フッ素-18標識合成に必要な量のPPAB1を合成することができ、さらに、光線力学的療法で利用できる適当な量のPPAB1を合成可能とした。続いて、合成したPPAB1を同位体交換反応によりフッ素-18が効率よく標識できる合成条件を検討し、標識合成装置を用いて同位体交換反応を行った。結果からフッ素-18の標識効率を高めるためには、合成条件を検討する必要性が生じたため、本年度以降も効率的なPPAB1のフッ素-18標識合成を検討し続ける。その他の研究課題として、フッ素-18標識可能であり化合物の構造が標識化により大きく変化しない一重項酸素検出可能な化合物を探索した。近年、他の研究グループが研究開発しているフッ素-18標識可能な活性酸素検出用トレーサーについて着目し、一重項酸素検出可能なトレーサーとしての利用可能性について見出すことができ、原料及び標品の合成に着手した。また、新たなPET核種標識活性酸素検出用トレーサーについても検討し続けている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
光線力学的療法の光感受性物質であるPPAB1の合成に成功し、フッ素-18標識の合成に着手することができ、さらに、一重項酸素検出可能なトレーサーの原料の合成に着手することができたため。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、インビボ実験を中心に光線力学的療法を評価するトレーサーとしての有用性を評価する。さらに、より有用性が高い光感受性物質及び一重項酸素検出可能なトレーサーの開発に着手する。
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