研究課題
1. 光感受性物質の動態を評価する18F標識BODIPY誘導体トレーサーの開発前年度に開発した光線力学療法用光感受性物質として有用性の高いことが報告されているaza-BODIPY誘導体であるADPM06を18F標識した[18F]ADPM06を合成した。[18F]ADPM06は同位体交換反応で合成し、18F標識自動合成装置を用い、合成時間60分程度、10%程度の放射化学的収率で合成でき、[18F]ADPM06注射液とした。次に、マウスによる体内動態評価、代謝物実験を行った。[18F]ADPM06投与後のマウス体内放射能分布は、測定可能な全ての臓器において、投与後120分まで初期取り込みの後に徐々に減少し、特に骨への高い集積が見られた。また、治療量のADPM06を[18F]ADPM06と同時にマウスに投与した結果、[18F]ADPM06のみ投与の結果と比較して、マウスの体内分布に違いがみられず、治療量ADPM06同時投与により[18F]ADPM06の体内動態に影響を与えにくいと考えられた。[18F]ADPM06投与後30分でのマウス血漿では、[18F]ADPM06が70%以上残存しており、放射性代謝物による体内動態の影響が少ないことが分かった。さらに、腫瘍マウスによる全身PETイメージングでは、[18F]ADPM06投与後腫瘍への集積が確認された。[18F]ADPM06はADPM06の安全性や治療効果を評価できる放射性薬剤であると考えられた。2. 光線力学的療法評価のための一重項酸素検出放射性トレーサーの開発前年度から引き続き探索した一重項酸素検出可能なトレーサーを合成した。アスコルビン酸誘導体に着目し、11C標識及び18F標識合成の可能性を検討し、標識合成に着手した。PET用イメージング剤としての有用性を評価することにより、光線力学療法の評価手法となりえると考えられた。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Nuclear Medicine and Biology
巻: 108-109 ページ: S81-82