研究課題
難治性の急性リンパ性白血病症例において根治を得るには、個別化した治療法の確立が急務である。本研究は、主として難治性の白血病症例から樹立された多数の細胞株を活用して、薬剤感受性と関連するゲノム情報を同定する新たな取り組みである。各株の多様な化学療法剤・低分子化合物・細胞傷害因子の感受性とゲノム情報をデータベース化し、国内外の多様なバック・グラウンドを持つ研究者との連携を深めることで、難治性白血病における薬剤感受性モデルとしての有用性について検討を進めて成果をあげてきた。本年度の論文成果としては、小児ALLの化学療法において最も重要な薬剤であるステロイド剤の感受性において、ステロイド受容体(NR3C1)遺伝子とWHSC1遺伝子の変異の意義について100株を超えるALL細胞株を対象に明らかにした(J Steroid Biochem Mol Biol. 2022;218:106068)。また小児ALLの維持療法の基本薬である6MP感受性において、NUDT15遺伝子の多形とNT5C2およびPRPS1遺伝子変異の意義について100株を超えるALL細胞株をモデルにして検証した(J Cell Mol Med. 2021;25:105218)。さらに、T-ALLの治療成績の向上に欠かせない治療薬であるアスパラギナーゼ感受性において、ASNS遺伝子のメチル化状態の重要性を細胞株および臨床検体で明らかにすることが出来た(Blood Adv. 2022;6:212-224)。また、同種造血幹細胞移植やCAR-T細胞療法、Blinatumomabの免疫学的な抗白血病効果を仲介する細胞傷害因子であるTRAIL受容体遺伝子のメチル化状態の意義について、細胞株および臨床検体を用いて明らかにした(Genes. 2021;12:864)。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (11件) (うち国際共著 3件、 査読あり 11件、 オープンアクセス 11件) 学会発表 (4件) 備考 (1件) 産業財産権 (1件)
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