研究課題/領域番号 |
19H03618
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
大田 浩 京都大学, 医学研究科, 准教授 (50391892)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 胎生期生殖巣 / 再構成卵巣 / 卵子形成 / iPS細胞 / 試験管内誘導 |
研究実績の概要 |
始原生殖細胞(primordial germ cell; PGC)は、将来の精子や卵子の起源となる細胞である。研究代表者らは試験管内においてマウス多能性幹細胞からPGC様細胞(PGC-like cell; PGCLC)の分化誘導系を確立し、正常な産仔へ発生可能な精子や卵子を得る事に成功している。マウスにおいてはPGCLCの誘導系が開発された事によりPGCの基礎生物学が飛躍的に進展したが、マウス以外の種、特にヒトにおいては現在、ヒトPGCLCからの配偶子形成能を証明する方法論が存在せず、PGCLCの機能的な証明および配偶子形成機構の解析を行う事が不可能である。本研究の目的は、試験管内においてヒト胎生期雌性生殖細胞の卵母細胞誘導法を確立し、その誘導系を用いてヒトiPS細胞由来PGCLCから卵母細胞を誘導することである。本年度はヒト胎生期卵巣に含まれる生殖細胞および支持細胞の分化段階を蛍光免疫染色により評価し、再構成卵巣の培養方法の検討を行った。その結果、現時点で最も良いと考えられる培養条件を用いることにより、ヒト再構成卵巣は100日以上の培養が可能であり、培養後の再構成卵巣内において減数分裂の進行が確認できている。今後、更なる長期培養および培養系の改善を試み、再構成卵巣に含まれる生殖細胞および支持細胞の性質を解析し、正常に分化が進行しているかを評価する。正常な分化が確認できればヒトiPS細胞由来PGCLCとの再構成卵巣を同様に培養し、ヒトPGCLCからの卵子形成誘導を試みる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の目的は、試験管内においてヒト胎生期雌性生殖細胞の卵母細胞誘導法を確立し、その誘導系を用いてヒトiPS細胞由来PGCLCから卵母細胞を誘導することである。本年度はヒト胎生期卵巣に含まれる生殖細胞および支持細胞の分化段階を蛍光免疫染色により同定し、再構成卵巣の培養方法の検討を行った。その結果、現時点で最も良いと考えられる培養条件を用いることにより、ヒト再構成卵巣は100日以上の培養が可能であり、培養後の再構成卵巣内において減数分裂の進行が認められた。
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今後の研究の推進方策 |
ヒト再構成卵巣の更なる長期培養と培養系の最適化を試み、再構成卵巣に含まれる生殖細胞および支持細胞の性質を解析し、正常に分化が進行しているかを評価する。分化の評価は蛍光免疫染色およびRNA-sequencingにより行う予定である。正常な分化が確認できればヒトiPS細胞由来PGCLCとの再構成卵巣を同様に培養し、ヒトPGCLCからの卵子形成誘導を試みる。
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