ダウン症候群では多彩な神経症状が見られる。近年、21番染色体の遺伝子量効果に加えて、染色体異常そのものが引き起こす病的作用が存在することが報告されつつある。本研究では21,13トリソミーiPS細胞から分化した神経細胞をもちいて細胞ストレス反応について研究を行い、トリソミーの神経細胞ではタンパク質恒常性の破綻によって神経細胞死が起こることが分かった。一方、ダウン症iPS細胞とXIST遺伝子による染色体不活化、ゲノム編集技術をもちいることで遺伝子背景がそろった細胞株パネルを樹立した。これらの解析によって、ダウン症アストロサイトの異常増殖にはDYRK1A遺伝子が原因遺伝子であることが判明した。
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