研究課題/領域番号 |
19H03627
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研究機関 | 国立研究開発法人国立成育医療研究センター |
研究代表者 |
鳴海 覚志 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 分子内分泌研究部, 室長 (40365317)
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研究分担者 |
金蔵 孝介 東京医科大学, 医学部, 講師 (10508568)
伊原 健太郎 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 研究員 (90647207)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 液相分離 / MIRAGE症候群 / SAMD9 / 遺伝性疾患 / 先天性疾患 |
研究実績の概要 |
4年計画の1年目に相当する2019年度は、本研究の3つのテーマ(SAMD9/SAMD9Lの機能の解明・SAMドメインの構造の解明・SAMD9/SAMD9L異常症の細胞レベル病態の解明)に対応した研究計画の[基礎的課題]、[応用的課題]のうち[基礎的課題]に取り組んだ。 「SAMD9/SAMD9Lの機能の解明」では、試験管内で液相分離の性質を評価するための実験系の最適化に取り組み、従来384ウェルプレート(液量20 uL)で行っていた実験系を、スライドガラス・カバーガラスと、マイクロフィルムスペーサーを用いる閉鎖系の利用で、最小1 uLで実験を行う手法を確立した。今後の試験管内液滴形成実験に応用可能である。 「SAMドメインの構造の解明では」、高純度SAMドメインタンパク質の結晶を作成し、SPring-8でのX線回折実験を行った。2.5オングストローム分解能のデータセットが得られたため、原子分解能の立体構造を解析できた。SAMドメインは自己重合ドメインであることが示唆され、実際にmVenusとmTurquoise2を使ったFRETにより、SAM-SAM会合が溶液中に起こることを示した。また、SAM-SAM会合を阻害する人工変異を構造的に予測し、組み込んだところ、FRET効率を変化させることができることがわかった。 「SAMD9/SAMD9L異常症の細胞レベル病態の解明」では、臨床症例に対する遺伝子解析を積極的に進めた他、患者由来皮膚線維芽細胞の分析をおもに蛍光免疫染色で行った。2016年に報告したエンドソーム系の異常が軽度である症例も存在することが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の研究計画通りに進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、本研究の3つのテーマ(SAMD9/SAMD9Lの機能の解明・SAMドメインの構造の解明・SAMD9/SAMD9L異常症の細胞レベル病態の解明)に対応した研究計画の[基礎的課題]、[応用的課題]のうち[基礎的課題]に取り組む。
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