研究課題
近年、ゲノムDNA中に存在が確認された5-ヒドロキシメチル化シトシン(5-hydroxymethyl C: 5hmC)は、5-メチル化シトシン(5-methyl C: 5mC)の酸化産物であ り、DNA脱メチル化反応における中間代謝産物として注目されている。本研究は、メチル化異常に起因する小児インプリンティング異常症において、ヒドロキシメ チル化が病態にどのように関与しているかを解明することが目的である。5mCと5hmCを区別するための酸化バイサルファイト(oxBS)処理に続いて、パイロシークエ ンサー(oxBS-pyro)、メチル化ビーズアレイ(oxBS-array)、次世代シークエンサー(oxBS-seq)による解析を行い、一塩基レベルの“methylome”および“hydroxymethylome”を明らかにする。インプリンティング異常症例のバイサルファイト処理および酸化バイサルファイト処理、パイロシークエンサーによる解析を前年までに終了した。この過程でシルバーラッセル症候群に類似した成長障害を主症状とする症例に、新規のメチル化異常を同定した。これは過去に報告のないメチル化異常であり、新規のインプリンティング疾患として報告した(Yamazawa et al. J Med Genet 2021;58(6):427-432)。また、インプリンティング異常症310症例のバイサルファイト処理検体においてメチル化ビーズアレイの解析を終了しており、今後は酸化バイサルファイト処理検体のメチル化ビーズアレイ解析を実施し、“hydroxymethylome”の実態を解明する予定である。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (5件) 図書 (1件)
Human Genome Variation
巻: 9 ページ: -
10.1038/s41439-021-00180-8
Journal of Human Genetics
巻: - ページ: -
Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism
巻: 8 ページ: -
10.1038/s41439-021-00178-2