遺伝性小頭症(MCPH)は、細胞周期制御遺伝子(CCRG)の異常を原因とする遺伝性疾患で知的障害(ID)を必発する。大脳発生時に神経細胞の増殖障害や細胞死が誘導されることで発症すると考えられる。MCPHは脳構造自体には顕著な異常がないことが多く、神経細胞の不足によりシナプス形成不全が起きることがIDの原因と考えられる。一方、神経細胞の“数の不足”に加えて、発達期大脳皮質における神経細胞の移動・局在異常もIDの病態に関与する可能性もある。 本研究では、CCRGであるCEP152の病的バリアントの包括的解析を行い、病態形成メカニズムの一端を解明した。
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