研究課題/領域番号 |
19H03633
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
加藤 直也 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (90313220)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 肝癌 / 自然免疫 / 発癌抑止 / MICA / NK細胞 / PD-L1 / ADAM / 細胞傷害性T細胞 |
研究成果の概要 |
MICAは肝癌細胞表面に発現され、NK細胞の標的となるが、肝癌細胞はMICAを切断しNK細胞攻撃から回避している。1)MICA切断酵素として、ADAM9/10/17を同定した。2)肝癌組織でMICA発現は上昇していたが、MICA切断によりNK細胞の肝癌組織への浸潤度は低かった。3)ADAM9を阻害する薬剤スクリーニングにより、2種類のロイコトリエン拮抗薬と非環式retinoidを同定した。4)ADAM9は膜型PD-L1も切断し、獲得免疫機構からも逃避していた。以上から、ADAM9阻害により肝癌に対する自然免疫、獲得免疫を賦活化し、肝発癌抑止、肝癌治療に応用しうると期待された。
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自由記述の分野 |
消化器内科学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ほとんどのC型肝炎症例でウイルス排除が可能となったが発癌は十分に抑止できていない。C型肝癌に対する薬物療法は複合免疫療法が第一選択となったがその効果はいまだ満足するレベルに達していない。したがって、新たな発癌抑止法、肝癌治療法の開発が急務である。肝癌細胞に表出している自然および獲得免疫の標的となる分子であるMICA、PD-L1のADAM9/10/17による切断が肝癌細胞の免疫逃避機構の一翼を担っており、それらの切断阻害は自然免疫賦活による新たな発癌抑止法となる可能性、また、肝癌細胞に対する自然免疫賦活+獲得免疫賦活による新たな肝癌治療法となる可能性があると期待される。
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