研究課題
基盤研究(B)
我々はNASHモデルマウスであるメラノコルチン4受容体(MC4R)-KOマウスを用いて、まず線維化と腫瘍に対する影響を検討し早期線維化モデルと早期腫瘍化モデルの確立をした。早期線維化モデルを用いて間葉系幹細胞およびそのエクソソームが炎症及び線維化を改善させる事を明らかにした。更に、腫瘍化に関しては我々はMC4R-KOマウスに高脂肪食を与えたモデルでS1P-S1PR2シグナルをJTE-013という薬剤でブロックすることで早期に高率に肝細胞癌を呈する事をつかみ早期腫瘍化モデルを確立した。
肝臓
非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)は日本国民の食生活の欧米化につれて増えてきており、進行すると肝硬変、肝癌へと至る可能性がある疾患である。本研究では、NASHモデルマウスとして知られる、MC4R-KOを用いて研究を行った。このマウスを使う実験は疾患に至るまで時間がかかるのが問題であったが、我々は、早期に線維化、腫瘍化するモデルを構築する事にまず成功した。引き続き、腫瘍化のモデルにも成功した。またこれらを用いて機序解析を行った。このように、実験期間を短縮させ、更に線維化の将来の治療の可能性、腫瘍の機序について解析が行えたことは有意義と考えている。